女王蜂とローヤルゼリー
ローヤルゼリーは女王蜂という個体が成長する上で、欠かせない食料です。孵化した直後の蜂の幼虫は、すべて等しく、特別な個体は存在しません。
しかし王台という女王蜂専用の巣穴に産み落とされ幼虫は、次期女王蜂として、生まれたその日からローヤルゼリーを与えられます。
ローヤルゼリーを食べて成長した幼虫は、他の雌蜂にはない産卵機能を備えます。
生後一週間程度で産卵が可能になり、一日に産む卵は1500~2000個にも及びます。
加えて、体の大きさは働き蜂の1.5~3倍、寿命は30~40倍に成長します。
生まれた時点では、体の大きさや遺伝子に何ら特異性のない幼虫を、女王蜂として成長させるのがローヤルゼリーなのです。
ローヤルゼリーは非常に栄養豊富であり、女王蜂のみが食べることを許されます。
女王蜂が他の栄養源を求めることはありません。
ローヤルゼリーを与えられなかった幼虫は、孵化~生後三日目までは、ワーカーゼリーを糧とします。
ワーカーゼリーは、ローヤルゼリーより栄養価が低い、幼虫用の食料です。
そして幼虫たちは4日目以降から花粉や花の蜜を食べるようになり、働き蜂となるのです。
生後三日目までにローヤルゼリーを与えれば、どの幼虫も女王蜂になることが可能です。
女王蜂になるか働き蜂になるか。
その差は、ローヤルゼリーを食べたか食べていないか、たったそれだけなのです。